北海道幌延町のトナカイ牧場で、翡翠イグアノドン三匹、トナカイと出会う。トナカイは草原で食事。一匹のトナカイが、角に草をこんもり盛って歩いていたら、別のトナカイが近寄ってきて、角の間に盛られた草を食べ始めた。
草がだんだん少なくなったとき、三匹の翡翠イグアノドンは、声を揃えてつぶやいた。
「翡翠トナカイだ」
そうしてみると、牧場にいるトナカイの頭には、どのトナカイにも翡翠がのっかっているように見える。
「何か変だよ!」
生き物観察の好きな翡翠イグアノドン。これまで歩いてきた道で出会った生き物は、頭にだれもが翡翠をのせていたというのだ。生き物観察メモにもそう書いてある。
「何が変なの?」
未来を予想したい翡翠イグアノドンが聞くと、すぐに答えが返ってきた。
「みんな、っていうのが、おかしい!」