輪を描く

木でできた大勢のトナカイと旅をしているユキヒョウが、突然、輪っからしきものを見た。見たといっても頭の中に浮かんだ輪になりきらない不完全な円だったかもしれない。
ユキヒョウは忘れないうちに、トナカイたちに話した。円らしきものは日本地図の上にのっていた。
本栖湖甲府あたり~雲取山~飯能~羽田空港~房総半島と横須賀の間~大島~石廊崎~駿河湾~焼津~スマタキョウ~赤石岳甲府あたり。
そんな輪、円、だったかもしれない。
それを聞いたトナカイたちは、ちょうど走りたい気持ちだったので、どこからともなく、何頭かのトナカイを先頭に走り始めた。
ユキヒョウもその輪に入り走った。
ユキヒョウは、意味があろうがなかろうが、頭に浮かんだ景色、映像、言葉を大切にしている。意味がなさそうだからと勝手に考えて、早々と切り捨てたりはしない。
自分の頭だが、自分の頭ではない、そんな感じか~
輪を描き走りながら、突然、沖縄のもっと向こうへ旅したくなった。