恐竜 釧路湿原

頭に翡翠をのせた恐竜たちは、十勝平野の食堂でジャガイモ料理をたくさん食べた。ジャガイモにも幾つもの種類があり食べ心地も味もちがうから楽しい。
お腹いっぱいになった恐竜たちは、久しぶりに釧路湿原を探検してみた。翡翠鶴と会ったのはたしかこのあたりだとみんなでぼんやり思い出していたら、なにかが動いている。鶴ではない。ひつじだ。ひつじは恐竜たちをみると、はあはあ息をきらしながら「やっと会えた!」と嬉しそうだ。それもそのはず、一週間前に分かれて旅をした恐竜のひつじで、釧路湿原までやっと帰ってきたところだった。
ひつじは首から、天然石のついたカラーペンをぶらさげていた。カエルからもらったものだ。そのペンに気がついた、未来を予想したいイグアノドンは、あのペンは自分のペンになる、と、密かに予想した。
ひつじも帰ってきたことなので、恐竜たちは、盛大に釧路湿原でお茶会を開くことにした。恐竜たちについて来た、お茶セットはやっと出番がきたかと準備にいそがしい。どこからともなく大きなテーブルがあらわれ、飛んできた布がふわっとテーブルにかかり、お湯は湧き出し、お菓子は皿の上に。みんな席についたかと恐竜たちが大テーブルを見渡すと、恐竜たちの他に、ひつじ~~~八匹、鶴一羽が座っていた。未来を予想したいイグアノドンの隣に鶴が座っている。頭に翡翠をのせたあの翡翠鶴だ。前の席は、恐竜のひつじだ。
みんなはそれぞれにお茶を飲みすきなお菓子を食べた。恐竜のひつじは、お茶を飲みながらも、首からかけたカラーペンを恐竜にくれるような様子もない。
ひつじの中には、りぼんで作ったドレスを着ているものもいる。「ボタンのとこのひつじです。アラスカからこちらに来ました」というと、他のひつじたちはワイワイと賑やかになった。松さんのひつじが、松さんにあわなかったかと聞くと、大島で松さんを追い越したのだそうだ。松さんは、いちいちポーズをとりながら移動しているから、お正月ごろにならないと帰ってこないかもしれないということだ。
松さんのひつじのとなりで、首からたくさんのペンダントをぶら下げているひつじがいた。かたばみさんぽのところのひつじだった。
「小樽を散歩して買ってきた、万華鏡のペンダントです。みんなのぶんがあります」と、万華鏡ペンダントをみんなにかけてまわった。万華鏡ペンダント、なんて素敵なんだと嬉しくなった恐竜のひつじは、ボールペンを外しテーブルに置いた。目の前にボールペンがある。未来を予想したいイグアノドンは「手帳はあるのにペンがなくてこまっているんだ。そのペン、もらえないかな~」と思いきって言ってみた。
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恐竜のひつじは考えた。また、地面に線をひいて遊びたいときがあるかもしれない。でもその時は、また、カエルに貰えるかもしれないな。カラーペンは、イグアノドンに手渡された。イグアノドンは、さっそく手帳に「お茶会の後はぐっすり眠り、すると明日は、頭の翡翠がとれている」と書いた。
「頭に翡翠かついていなかったらな~空を飛べるのに、まあ、そのうちどうにかなるかもしれない」
とは、翡翠鶴の寝言だ。